「はたらき方」改革 「ゆとり教育」改革 デジャブ!?
昔、「大きな船に大勢の人が乗っていて、「右!」と言われると一斉に船の右側へ、「左!」と言われると一斉に左側に集まってしまい、水平を保てずいつも船が傾いている、それが「日本丸」という護送船団」と言ったような話を聞いたことがあります。時代が経っても、言い得て妙です。
世間の論調が右向け右になりがちなのは、空気を読む日本人のDNAかもしれません。社会を騒がせる問題が起きると、その顕在化した問題点に収斂していって、問題の撲滅運動一色となりがちで、潜在的な原因分析や多方面からの検討が殆ど報道されません。「多様性の時代」と言いながら、単一方向にしか進まないのは残念です。
「過重労働問題」は、本当に大きな社会問題で少しでも減らす努力や工夫は必要です。実質青天井だった時間外労働に一定のガイドラインを設けるのは重要なポイントです。
ただ一方、日本の経済競争力が落ちないことを留意した方策も必要です。ゆとり教育の反省から、土曜授業などを含めて教育制度が見直されてきていますが、有給休暇の所得日数義務化が、将来同じようにゆり戻しにならないことを望みます。休日を増やす=(消費)経済の活性化、と言う公式が成り立つかもしれませんので。。
こういった問題を考えた時に、私は【トレードオフ】と言う言葉を思い出します。簡単に言うと、あちらを立てればこちらが立たず、と言う現象を表す言葉です。1つを選択すると言う事は、選択したAを取り、選択しないBは捨てる事になる。Aを取りたい処だがBを失ってしまう悩ましさを表していて、熟考を迫られます。
社会問題だけでなく、ビジネスの世界でこのトレードオフ現象はよく起こります。例をあげると、品揃えの多さVS在庫負担、品質確保VS納期優先の対立、などなど。
我々の製品納期について考えると、いくつものプロジェクトが交錯する中、どの工事も納期が迫ってきますが、どれだけ各工事の現場状況を把握して優先順位を判断するか、生産管理部門と営業部門とのコミュニケーションが大きな課題です。
冒頭の過重労働問題も社内について考えると、工事の負荷が偏らないように「担当調整」や「応援体制」を今まで以上に充実させる事が課題だと思います。
この2点、繁忙期を迎える2019年度のテーマとして取り組んでいきましょう。
2019年 3月