Column

社長の一石

2019. 5月

地球の美しき断面を切り取って

「石の素材感を味わっていただく」

 

これは、私達石屋の存在意義を表わす言葉だと思います。お客様へ最終的にお届けしているなものは何か、私自身ここ数年突き詰めて一言で表現したものであり、新たな事業領域やサービスを考える時にいつもこの言葉を頼りにしています。

 

ビルの外装にどっしりとして落ち着きのある存在感を醸し出す花崗岩

 

エントランスや室内を豪華に飾りながら美しく柔らかな模様を描く大理石

 

何億年と言う長い年月をかけて地球が創ってきた石。それを私達は大地から掘り起こしてきて、大きな建築物で表現する事を生業としている訳ですがよく考えてみると「もっと小さく切り取った世界で」その素材感を味わっていただく事はできるのではないか? と考えてみました。

 

行き着いたのは「アート・パネル」と言うフィールドです。つまり、絵画や写真、ポスターの様に、壁に掛けて観て楽しんでいただく世界です。

 

とは言っても「石」は固いし、重いので、壁に掛けるなんてできないじゃない?石屋の常識から長年ずっとそう思っていました。しかし、社内であれこれ試行錯誤した結果、ようやく1つのモデルができあがってきたのです。

 

写真があると分かり易いので、下のリーフレットをご覧下さい。

 

石の厚みを極限の5ミリまで薄くして、A5サイズで何と0.4kg、A1でも7kg。裏側をアルミパネルを裏打ちする事で、強度と軽さを実現しました。

 

「視覚」で楽しむ「四角」い石と言うコンセプトから「しかくいし」と言う商品になりました。これからWEBやショップなどで販売します。

 

製作物として、私達の本業からは随分離れたフィールドになりますがやはり「石の素材感を味わっていただく」ことには変わりないですね。

2019年 5月