Column

STONE COLUMN

2025. 1. 10

ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024出展レポート

2024年12月5日~7日に東京原宿のWITH HARAJUKUで開催された「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」に出展いたしました。今回は出展レポートとして会場の様子やイベントなどをご紹介します。

ETHICAL DESIGN WEEKとは

株式会社船場と株式会社博展の共催による本イベントは、業界の枠を超えた共創パートナーとともに、エシカルな活動を発信し、未来を考える3日間の参加型イベントです。

弊社は昨年に引き続き参加させていただきました。昨年よりも規模が大きくなりアップデートされ、3日間通して多くの方が来場されました。

 

ETHICAL DESIGN WEEK特設サイトはこちら

https://www.semba1008.co.jp/lp/ethicaldesignweek_2024

弊社ブース展示

(画像)弊社展示ブースにてご案内している様子

 

弊社のブースでは廃棄される予定の天然石の端材を再活用するためのアイデアを展示しました。

会場入り口すぐという場所にも恵まれ多くの方にご覧いただきお話ができました。端材の複合プレートはまだプロトタイプということもあり、制作や商品詳細については決まっていない部分がありましたが、プロジェクトへの採用のご検討を踏まえたお話などもでき、とても有意義なものとなりました。エシカルマテリアル、サステナブル建材としてご提案できる幅を広げていきたいですね。

(画像)石の端材を拾い、並べて、固めたプレート

 

生産過程で算出される石の端材を組み合わせて樹脂で固めたプレートはプロトタイプとして展示いたしました。

天板などの表現でご使用いただけるのではないか、という期待を込めています。

その時々で算出する端材の石種も色も異なりますが、どんなものを作るのかを石を並べながら考えるのは楽しい作業でした。

こちらは弊社の東京支店ショールームに展示してありますので、見たい、触ってみたい方は是非東京ショールームに見学にきてください(要予約です)

光を透過するシーンの動画

円形のプレートは光を透過する石を集めてつくったので、動画のように自然光でも光を通した表情になります。

あまり多くは産出されないものばかりですが、石と光って相性良いですね。

(画像)出オチのように足元に鎮座するオニックスの端材ブロックから作ったアイスバー

展示内容をどうしようか、と打ち合わせをしていたところ、こんなの作ったら良いのでは?と船場さまからアイデアをいただきました。端材を探して工場を検索して、端材ブロックを採寸、形状の寸法を起こしてモックを作って・・・と、こちらも楽しい作業でした。

 

(画像)制作図

 

インパクト重視でしたが、足元だったので見逃す方もちらほらでしたが、多くの方に撮影していただきました。

搬入が大変だろうと、重量を慎重に見極めたつもりでしたが(≒80㎏)、やっぱり設置作業は大変でした。

 

制作過程の画像などは弊社のアトリエ室のインスタグラムに掲載しております。

https://www.instagram.com/p/DDOJvUgyEWb/?hl=ja&img_index=1

デザインを形にするアトリエ集団が社内にいるのは本当に頼もしい限りです。

 

他社さまの展示をご紹介

あまり多くの時間をとることができませんでしたが、会場を回って個人的に気になった展示を少しご紹介します。

株式会社mushcoさんのマッシュルームレザーを使用したプロダクト。

きのこを素材としたレザーでプロダクトを作られています。自然の凹凸がついていたり、ベージュのグラデーションがあったりと表情がおもしろく、石のテクスチャーにも似た自然なニュアンスがある一点ものです。

 

セイショク株式会社さんの「NUNOUS」。WEB上では拝見していたものの、実物は今回初めて拝見しました。以前から気になっていたのですが、廃棄布と植物由来ポリマーを積層した素材は質感が柔らかく、素敵でした。石や木のようにも見えるデザインなど様々で、使用用途もとても広そうです。マルシェでもプロダクトを販売されていました。

岡山県立大学畠研究室の「ふだん木/FUDAN-GI」

30㎜×30㎜と30mm×90㎜の2種類の木材(3090材)で空間を構成する仕組み。ブレイクスルースタジオでご登壇されていたので拝聴させていただきました。日常使いから災害時の利用も可能な木組みの仕組みは実現可能性が高いなと感じました。工具や金物を使用せずに接合でき、防災ストックでありながら日常のシーンで活用できる点が良いですね。

各種イベント開催

会場では展示のほかに、カンファレンス、トークセッションや来場者参加イベントなども開催されました。

(画像)カンファレンスの様子。

 

3日間を通して業界を超えた様々な方がテーマに沿ったトークを展開されていました。

ブースアテンドのため、すべてを拝聴することはかないませんでしたが、どのセッションも皆さん熱心に拝聴されていました。他社さまの取り組み事例や考えていることや課題感などが聞けてとても参考になるものでした。

弊社はブレイクスルースタジオというセッションで登壇させていただきました。

博展さまのファシリテーションのもと、株式会社ソーシャルインテリアさま、株式会社ACTA+さま、株式会社エフラボさまと弊社4社でのトークでした。それぞれの企業が担う領域やサービスは違えど、エシカルな取り組みという点でつながると、同じ課題感やそれを突破するための苦労、方法などの共通点も見えてくるというのがおもしろいです。こうしていただいたご縁から、新しく協業や取り組みができると良いですね。

3日間を通してマルシェが開催されていました。

その中で最終日の土曜日だけですが、弊社も出店させていただきました。

ECサイトでの販売では感じられない石の質感や重量感(重要)も手に取ってご覧いただける貴重な機会として色とりどりの端材プレートや、端材を活用したプロダクトを販売させていただきました。出店告知を見てきてくださった方とお話したり、他の出店者さんともコミュニケーションしたり。クリスマスに合わせたキャンドルホルダーや端材を埋めたコースターなど様々ご購入いただきました。

 

施設1Fには本イベント用に制作されたピンボールが設置されました。

端材を使用して制作されたもので、カラフルでキャッチーでした。かわいい。

 

そのほか、高校生によるプレゼン公開講評会やエシカルクイズチャレンジ、リズムワークショップなど多数のイベントが開催されていました。

まとめ

昨年に引き続き参加させていただいたエシカルデザインウィーク、主催の船場さま、博展さまと、共創パートナーの企業のみなさまもエシカルについての熱量がとても高いので、一体感のあるイベントになっていたかと思います。また、ご来場いただいた方々も熱心に展示をご覧になったり、ご質問いただいたりとエシカル・サステナブル観点の重要性や高まりを感じました。まだまだエシカルは特別という雰囲気の日本ですが、遠くない先にはフィンランドを筆頭にした北欧諸国のように、あたりまえになるでしょうか。

弊社の課題は「生産活動でどうしても発生してしまう端材の活用」で、貴重な天然資源をますことなく使い切ることが目的です。オーダー加工が専門のためプロジェクトごとに仕様がことなります。そのため画一的な加工を行うことができず、また天然石は材料自体が定型サイズではない、というものです。

最適な歩留まり提案をするように努めているものの、プロジェクトによっては使用する石材料の半分が使用できない、といったことも起こります。

歩留まりを上げていく努力は近年の取り組みとして継続活動しているところですが、端材のピットには毎日大量の石の破片が積みあがっていきます。

今回の出展を通して得た知識や経験をもとに、なにより同じ方向を目指しているみなさまとのつながりを生かして「関ヶ原石材だからできるエシカルな活動」を行っていきたいと思います。