290■薄板石材・大判タイルの施工方法■接着工法の一般的な採用条件■張り付け下地■目地■張り付け資材・珪酸カルシウム板/耐水合板・押出成形セメント板/サイディング/ALC板薄板石材や大判タイルなどに近年多く採用されている接着工法は十分に安全性を確認してから施工するようにお願いします。●原則として高さ3m以下の内壁への適用としてください。高所や外部への適用はより慎重な安全確認を要します。●接着剤の接着力のみに依存せず、自重受け金物や緊結金物を配置してください。 ・高さ3m未満=自重受け金物(仕上げ材の自重に因るせん断力を上回る保持力を有する金物) ・高さ3m以上=緊結金物(仕上げ材の自重に因るせん断力、風圧、地震時の慣性力の総和を上回る保持力を有する金物)●上裏(見上面)への施工は不適切です。●下地の挙動に伴ってひび割れや剥離・落下発生します。コンクリート打ち継ぎ部やExp.J、下地切替部分を跨がない割り付け・配置をご検討ください。●建築物の層間変位などを考慮して適切な目地幅を設定してください。また、4m以内の間隔で伸縮調整目地を設けてください。●ねむり目地の場合及び弾性ではない一般的な接着剤をご使用の場合は建物の層間変位に追従できないことを前提に計画してください。●弾性接着剤の使用を条件とする場合においても大地震による変位量に追従できず剥離・落下する可能性がございます。●「日本建築学会非構造部材の耐震設計指針・同解説及び耐震設計・施工要領」で規定される特に重要な建物は接着工法は採用不可とされています。※特に重要な建物=①防災拠点を構成する建物群 ②主要官庁などの建物 ③警察署・消防署など ④病院など ⑤放送局・電話局など ⑥エネルギー供給施設 ⑦交通施設関係建物 ⑧学校施工で調整できる余裕が少ない為、下地精度が仕上がり精度に直結します。下地の面精度は±2mm以下での管理が望ましいです。施工前に下地面や製品張付面を清掃して、付着しているゴミ/ほこり/油分などを除去してください。それぞれの下地に対して十分な接着力が得られるか、予め確認してから施工してください。・コンクリート打ち継ぎ部を跨がないように割り付けしてください。建物の挙動による負荷がかかりやすい部分に緩衝目地を設けるとひび割れ、破損・落下のリスクが減少します。石膏ボードは表層の紙が剥がれる懸念がありますので安全を確認した上で採用するようにしてください。ボード系材料による下地は2枚張りとし、上張り部材と下張り部材の割付をずらして剛性を確保してください。下地の軸組はLGS等の鋼製部材であって、建物の変位と切り離された独立したものであることが望ましいです。建物の挙動による負荷がかかりやすい部分に緩衝目地を設けるとひび割れ、破損・落下のリスクが減少します。下地素材の割り付けに従って適切な目地幅の緩衝目地を必ず設けてください。建物の挙動による負荷がかかりやすい部分に緩衝目地を設けるとひび割れ、破損・落下のリスクが減少します。下地の変位に追従する為、3mm以上のシール目地を推奨とします。セメント系目地材の適用やネムリ目地の採用は安全性や製品・加工精度、下地面の挙動を考慮した上で決定してください。空目地の場合、接着剤の張り付け界面に常時せん断力が働くことになるので剥離・落下につながる懸念があります。内壁面への施工、木質下地の床面への施工は2液混合型エポキシ接着剤の使用をお勧めします。コンクリート・モルタル下地の床面への施工はプレミックスモルタルの使用をお勧めします。張り付け資材は製品ごとに指定されている用法・要領・容量を守って使用してください。 参考商品/コニシ株式会社 EK270、EK270ソフト、EMS20 日本化成株式会社 NSダブルワン床専用JIS A 5548 セラミックタイル張り内装用有機系接着剤(抜粋引用)参考商品と記載の接着剤は当該JIS規格を参考数値として試験をしたものではありますが、その認定を取得したものではございません。試験結果から得られた技術データを基に選択をしているに過ぎませんので、各々で安全確認を頂きますようお願いします。接着性能(JIS A 5548 タイプⅠ試験) 下地材:モルタル 70×70mm 被着材:タイルなど 40×40mm 塗布方法:くし目塗布 3×3mm試験条件標準養生温水浸漬処理熱劣化処理低温硬化処理アルカリ水中浸漬処理タイプⅠ=下地モルタル板を23(±2)℃の水中に7日間浸漬後、布などを用いて軽く付着面を拭い、直ちに供試接着剤を塗布して試験する。接着性能(JIS A 5548 タイプⅡ試験) 下地材:モルタル 70×70mm 被着材:タイルなど 40×40mm 塗布方法:くし目塗布 3×3mm試験条件標準養生乾燥・水中・浸漬くり返し5(±2)℃/168時間養生→23(±2)℃水中4時間浸漬→60(±2)℃/湿度50(±10)%/20時間乾燥,4サイクル熱劣化処理低温硬化処理アルカリ水中浸漬処理JASS19 セラミックタイル張り工事(抜粋引用)M-101 大型床タイル張り用セメントモルタルの品質基準性能項目曲げ強さ長さ変化圧縮強さ標準時の付着強さ力学特性複合強度耐衝撃性単位容量質量保水性軟度変化ぬれ性(モルタル付着率)付着強さ浮き施工性耐久性温度23(±2)℃,湿度50(±10)%,168時間養生5(±2)℃/168時間養生後、50(±2)℃温水中に24時間浸漬標準養生後、60(±2)℃/672時間養生温度5(±2)℃,840時間養生標準養生後、23(±2)℃アルカリ水中48時間浸漬温度23(±2)℃,湿度50(±10)%,168時間養生標準養生後、60(±2)℃/672時間養生温度5(±2)℃,840時間養生標準養生後、23(±2)℃アルカリ水中48時間浸漬試験項目8.0N/mm2以上0.00~-0.20%30N/mm2以上0.6N/mm2以上20%以上10%以下「最大高さ」が1.4m以上を合格とする1.80kg/ℓ80~95%±10%80%以上0.6以上で、且つ下地との界面破断がないこと浮きがないこと破断荷重比浮き率冷熱くり返し30サイクル後冷熱くり返し30サイクル後試験内容試験内容規定値接着強さ0.60N/mm2以上0.30N/mm2以上0.30N/mm2以上0.30N/mm2以上0.30N/mm2以上接着強さ0.60N/mm2以上0.30N/mm2以上0.30N/mm2以上0.30N/mm2以上0.30N/mm2以上
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